ぶっちゃけ、「コープ」と「生協」は同じものです。
コープの正式名称は、協同組合を表す「The Co-operative」。「Co=共に」「operative=働く、活動する」を合わせたもので、略して「CO・OP」を日本語読みしたのが「コープ」です。
「生協」は「生活協同組合」の略で、農業協同組合(JA)とか、全国漁業協同組合連合会(JF全漁連)といった協同組合の一つを意味していて、消費者一人一人が出資金を出し合って組合員となり、協同で運営・利用する組織のことを言います。
というわけで、「コープ」と「生協」は、英語の略を日本語読みしているのか、日本語の組織名を略して読んでいるかの違いだったんですね。
ちなみに、生協にもいろいろあって、関西で「コープさん」の名称で親しまれているのは、地域で購買事業などを行う「地域生協」のこと。この他にも医療事業を行う「医療福祉生協」や、大学の学生や教職員のための「大学生協」などがあります。
地域生協にも、さらにいろいろなものがありますが、 それぞれの地域の人たちや職場の人たちが力を合わせて設立したものなので、名前の中に「コープ」とか「生協」といった言葉が入って似たようなものに見えても、それぞれ独立した別組織 になります。
つまり、「コープ」と「生協」は同じものだけど、それぞれの「コープ」や「生協」はそれぞれ違う組織で別物だということになります。
違う組織の場合、利用できるサービスにも違いがあったりする
このように、全国にはいろいろなコープ(生協)がありますが、共有しているのは「CO・OP」の理念の相互扶助と仕組みの部分で、運営はそれぞれ独立した法人として独自に展開しています。
こうした各地のコープをサポートする組織として、日本生活協同組合連合会(日本生協連)があります。
このため、商品の取り扱いやポイント制度など、地域生協を利用する際にも組織によって違うことがあるんですよ。利用する側から見ると、どこも同じように「コープ」とか「生協」とか名前に入っているのにややこしい話です(汗)
どこにどんなコープがあるのかは、一覧表にまとめているので、参考にしてみてくださいね。
生協のしくみはイギリスのロッチデール公正開拓者組合が最初
イギリスのロッチデールで、28人の労働者が一人1ポンドの出資金を出しあって小さなお店を開きました── 日本の生協は、このロッチデール公正開拓者組合の仕組みを参考にして作られています。
砂糖、バター、オートミルなど、最初は5品目しかなかったそうですが、みんなでお店を運営し、そこから得た剰余金をみんなで分配していました。
現在のコープも、みんなで出資して、利用して、運営するしくみで成り立っていて、そこから生まれた余剰金は組合員のために使うという原則があります。
ロッチデール公正開拓者組合が誕生したのは1844年のことですが、現在のコープとほぼ同じ仕組みだったみたいですよ。
※ロッチデール公正開拓者組合は、ロッチデール公正先駆者組合という訳もあります
というわけで、コープ(生協)のお店に行くと、一般のスーパーと同じようにいろんな商品が並んでいて、商品をセルフサービスで手にとって、レジで会計を済ませるというところまでは同じなのですが、「消費者自身の組織」という成り立ちなので、利用するには普通のお店と比べるとちょっと変わったところがあります。 出資金を出して、組合員になる必要があるところ です。
これは、コープさんのサービスである個別宅配を利用する際にも必要な条件になります。
具体的な申込みの仕方に関しては、こちらの記事にまとめているので、よかったら参考にしてみてくださいね。